胃痛とは?
一般的に「胃痛」とは、みぞおち周辺の痛みのことを指します。 医学用語的には「胃痛」という言い方はせず、「心窩部痛(しんかぶつう)」と表記します。 しかしここでは、分かりやすいように、馴染みが深い「胃痛」という表記で説明いたします。
一口に胃痛といっても様々な症状や痛みの程度があります。 胃には、胃酸から胃を守る働きをする「防御因子」と、食べ物を消化するための胃酸「攻撃因子」が備わっています。
この2つの因子のバランスが何らかの原因により崩れることで、痛みが発生してしまうのです。 胃痛症状によっては、重篤な疾患に罹患している・危険な状態であるといった可能性もありますので、注意が必要です。
緊急性に応じた症状を下記に記載しておりますので、医療機関を受診する際の参考にしてください。 ご自身の体調のサインを見逃さないようにしましょう。
緊急性の高い症状
次のような症状がある場合は、すぐに医師に診てもらう必要があります。
場合によっては救急車を呼んでも構わない症状です。
- 我慢できないほどの鋭い痛みがある
- 歩行時に響くような痛みがある
- 胃痛に伴い吐血や嘔吐がある
- 背中にぬけるような痛みがある
- 冷や汗が出る
医療機関の受診が
必要な症状
次の症状がある場合には、早急に医療機関を受診する必要があります。 その日中に受診しましょう。
様子を見ても大丈夫
である可能性の高い症状
これらの症状のみの場合には、比較的時間を置いても大丈夫な可能性が高いといえます。
- 痛みは一時的である
- 痛みは短時間で治まる
胃痛は「よくある症状」として軽く捉えられてしまうことも多いですが、実は重篤な疾患に罹患していた…ということも少なくありません。 手遅れになってしまわないように、ご自身の不調のサインを見逃さないようにしましょう。
少しでも体調に異変を感じた際には医療機関の受診を推奨いたします。
胃痛の原因
胃痛の原因は様々です。 代表的な原因には次のようなものがあります。
消化器疾患によるもの
何らかの消化器疾患にかかっていることにより、胃の痛みが生じている可能性があります。 胃痛を伴う消化器疾患は、大腸や胆嚢、肝臓、腎臓などたくさんの臓器が存在しており、胃のみならず様々な疾患が想定されます。
ストレスによるもの
自律神経が乱れることで、胃酸が過剰に分泌され胃の粘液を傷つけてしまい、胃や十二指腸などに痛みが生じる場合があります。 精神的なストレスの他にも、十分に睡眠がとれていないなどの生活習慣の乱れがある場合も注意が必要です。
食生活によるもの
消化しにくいもの、脂っこいもの、香辛料、アルコールなどを多く摂取すると、胃酸が過剰に分泌されるため、胃にダメージがかかってしまい痛みの原因になることがあります。 暴飲暴食も避けましょう。
喫煙によるもの
妊娠によるもの
妊娠によるホルモンバランスが乱れることで、胃腸機能が低下し胃痛を発症しやすくなります。
胃痛で考えられる疾患
胃痛が原因となって考えられる疾患には、次のようなものがあります。
- 胃がん
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎(胃食道逆流症)
- 急性胃炎
- 慢性胃炎
- 機能性ディスペプシア
- 胃ポリープ
- 胃アニサキス症
- 急性虫垂炎(盲腸)など
胃痛の検査方法
胃痛で受診をされる際には、まず医師が診察を行います。
当院では、医師の判断により必要に応じて以下の方法で検査を行います。
腹部エコー検査
エコーは「お腹の触診や聴診器」として用いられる検査です。 超音波を腹部にあて反射波をもとに腹腔内を観察する検査です。 この検査では肝臓、胆のう、すい臓、腎臓、脾臓の疾患を確認することができます。
また腹部エコー検査は痛みを伴うこともないため、患者様の負担が軽い検査といえます。
当院の消化器専門外来へ
お越しください
胃痛でお悩みの方は、当院の消化器専門外来へお越しください。 胃痛は重篤な疾患に罹患している可能性があるため、放置することは大変危険です。
異変を感じた際には、ご自身で判断せずに、まずは医療機関を受診しましょう。 ご不明な点はお気軽にお問い合わせくださいませ。